診療・各部門
~診療科の紹介~
当科は、足の血管の病気や透析のためのバスキュラーアクセスを中心に血管疾患全般を診療しています。
特に、足の血流が悪化して足が痛む、足のきずが治りにくいといった症状を起こす閉塞性動脈硬化症の診療に力を入れており、なかでも潰瘍や壊疽などの難治性創傷の治療に長年取り組んできました。カテーテル治療や外科的血行再建を組み合わせ、一人ひとりに応じた足の治療を行い、患者さんの生活を守ることをめざしています。
また、多くの方が悩まれる下肢静脈瘤や、それに伴う足のむくみ・だるさといった身近な症状も診療も行っています。
そして、透析を受ける患者さんに欠かせないバスキュラーアクセスの作製や合併症にも数多く携わってきました。
血管の病気に真摯に向き合い、安心して生活を送れるように診療に努めています。
~主な対象疾患~
・下肢閉塞性動脈硬化症(足の冷感・色調不良、歩行時の痛み、安静時の痛み、治らない足のきずや壊死など)
・糖尿病性足病変(糖尿病を合併した足の潰瘍・壊死・胼胝(たこ))
・下肢静脈瘤・うっ滞性皮膚炎
・透析バスキュラーアクセス全般(新規作製、合併症、長期留置カテーテルなど)
・腹部大動脈瘤、腎動脈瘤などの内臓動脈瘤、その他急性動脈閉塞など血管疾患全般
*心臓・胸部・頭頚部の血管病変、臀部・骨盤部の褥瘡については診療しておりません。
~業務内容~
2024年
・閉塞性動脈硬化症に対する手術
カテーテルによる血管拡張術 165件
外科的血行再建術(バイパス、血栓内膜摘除術など) 37件
・バスキュラーアクセス関連手術 409件
・創傷に対する手術(大切断含む) 107件
・急性動脈閉塞に対する手術 9件
・下肢静脈瘤に対する手術 17件
・腹部大動脈瘤に対する手術 1件
~連携病院・開業医の先生方へ~
当科は4名の血管外科医が在籍し、いつでもご相談いただける体制を整えております。 明らかな血管疾患はもちろん、「もしかすると血管が原因かもしれない」という患者さんでも、どうぞお気軽にご相談ください。
血管の病気は、治療のタイミングを逃すと重篤化することが少なくありません。同じ病院で「院内コンサルト」を出すような感覚でご利用いただければ幸いです。
患者さん一人ひとりに最適な治療を提供できるよう、スタッフ一同、熱意をもって診療に取り組んでおります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
血管外科外来受付時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 8:30 - 11:30 | 8:30 - 11:30 | 8:30 - 11:30 | 8:30 - 11:30 | 8:30 - 11:30 |
【注意】新患受付は11:00までです。
血管外科
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 医師 | 佐々木 茂 | 佐々木 茂 長岡 洋平 | 中野 善之 | 佐々木 茂 (予約新患のみ) | 菅原 宏文 |
【注意】各担当医は出張等により変更になる場合があります。
新患受付は11:00までです。
佐々木 茂 (血管外科診療部長・創傷ケアセンター長・バスキュラーアクセスセンター長)
| 卒年 | 昭和63年卒 |
|---|---|
| 専門領域 | 血管外科 |
| 認定資格 |
菅原 宏文(血管外科診療部長)
| 卒年 | 平成11年卒 |
|---|---|
| 専門領域 | 血管外科・消化器外科 |
| 認定資格 | 日本外科学会 指導医・外科専門医 3学会構成心臓血管外科専門医認定機構 心臓血管外科専門医・修練指導者 日本消化器外科学会 指導医・消化器外科専門医 日本脈管学会 認定脈管専門医 関連10学会構成日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会 下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医 日本血管外科学会 認定血管内治療医 浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会 浅大腿動脈ステントグラフト実施医 |
中野 善之 (血管外科医長)
| 卒年 | 平成12年卒 |
|---|---|
| 専門領域 | 血管外科 |
| 認定資格 | 日本外科学会 指導医 日本外科学会 外科専門医 3学会構成心臓血管外科専門医認定機構 修練指導者 3学会構成心臓血管外科専門医認定機構 心臓血管外科専門医 日本脈管学会認定脈管指導医 日本脈管学会認定脈管専門医 日本血管外科学会認定血管内治療医 関連10学会構成日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医 浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会 浅大腿動脈ステントグラフト実施医 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター 認知症サポート医 厚生労働省「指導医講習会」臨床研修指導医 |
長岡 洋平(血管外科医師)
| 卒年 | 平成27年卒 |
|---|---|
| 専門領域 | 血管外科 |
| 認定資格 | 日本外科学会 外科専門医 |


~下肢静脈瘤~
下肢静脈瘤は、足の表面にある静脈の弁が壊れて血液が逆流し、こぶのように血管が浮き出る病気です。見た目の変化だけでなく、足のだるさ・むくみ・つり・ほてりなどの不快な症状を引き起こし、また、湿疹や色素沈着、皮膚潰瘍につながることもあります。中高年の女性に多くみられ、特に出産や立ち仕事、長時間の座位といった生活習慣が発症のきっかけになることがあります。進行はゆっくりですが、日常生活に影響するため、早めの受診が安心です。
診断は、まず視診・触診で静脈瘤の大きさや形、皮膚の状態を確認します。さらに、超音波検査(エコー)で、血液の逆流の有無やその範囲、静脈の太さを詳しく調べます。エコーは痛みがなく、外来で短時間に行える検査です。これらの結果をもとに、症状の程度や生活への影響を考慮して治療の必要性を判断します。当院では検査結果をご説明し、患者さんと一緒に治療方針を考えています。
下肢静脈瘤は自然に治ることはありませんが、命に関わることもほとんどありません。ただし、症状が強くなると日常生活に支障をきたすため、治療が必要になることがあります。
当科では、身体に負担の少ない血管内焼灼術を中心に、高位結紮術・静脈瘤切除術などを病態に応じて組み合わせています。日帰り手術にも対応しており、翌日から普段の生活に戻れる方も多くいらっしゃいます。
また、うっ滞性皮膚炎や潰瘍といった皮膚病変がある患者さんに対しては、手術だけでなくその後の皮膚病変の治療も継続して行い、改善と再発予防に努めています。
・患者さん一人ひとりに合わせた治療法をご提案します
弾性ストッキングによる圧迫療法から、血管内焼灼術、高位結紮術、静脈瘤切除術、硬化療法まで、患者さんの症状や生活背景、ご希望に合わせて 最適な方法を選択します。
・合併する皮膚病変にも対応します
うっ滞性皮膚炎や潰瘍がある場合は、手術後も引き続き皮膚の治療を継続することも可能です。
・日帰り治療に対応しています
血管内焼灼術を中心に、体への負担が少なく日帰りで行える治療にも対応しています。
・患者さんとの対話を大切にしています
症状や生活の状況をお聞きし、一人ひとりに必要十分な治療を提供することを心がけています。
~下肢閉塞性動脈硬化症~
下肢閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化により足の血管が細くなったり詰まったりして、足の血流が不足する病気です。歩くとふくらはぎが痛くなり休むと回復する「間欠性跛行」が代表的な症状ですが、進行すると足先の色の変化や潰瘍・壊疽などの「足のきず」が生じ、放置すると足を失う危険もあります。高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙など生活習慣病が大きな要因となるため、生活習慣病の治療とあわせて血管の治療に取り組むことが重要です。
診断には、診察や足の血流が十分かを確認するための腕と足の血圧測定(ABI検査:足関節上腕血圧比)などを行います。必要に応じてCTや血管造影で、足の血管のどの部分が細くなったり詰まったりしているかを詳しく調べます。これらの検査を組み合わせて病気の進み具合を把握し、治療の必要性を判断します。当院では検査の結果をわかりやすく説明し、患者さんと一緒に治療方針を考えています。
症状が軽い場合には、禁煙・運動・くすりによる保存的治療を基本とします。歩くと足が痛む場合や、休んでいるときにも足が痛む場合、潰瘍や壊疽がある場合には、足の血流を改善するために血行再建を行います。当院では、カテーテルによる血管内治療(EVT)と外科的バイパス手術の双方を高い専門性をもって行うことが可能で、患者さんの状態に応じて最適な方法を選択します。さらに、潰瘍や壊疽を伴う場合には血行再建後も創傷治療を継続し、足を守る診療を行っていることが当科の特徴です。
[血管内治療]
カテーテルという細い管を使って動脈の中から治療する方法です。風船やステントで血管を広げて血流を改善する方法です。皮膚を大きく切開する必要がなく、身体への負担が少ないことが特徴です。
[足首の細い動脈へのバイパス(Distal bypass)]
足首や足先近くの細い血管に、太い動脈からご自身の静脈を採取してつなぎ、新しい血液の通り道を作る手術です。豊富な血流を供給できるのが特徴で、治りにくい潰瘍や壊死を伴う重症例で力を発揮します。
・血行再建はカテーテル治療と外科手術の二本柱で行っています
当科では、足の血流を改善する治療(血行再建)として、カテーテルによる血管内治療と外科的バイパス手術の両方を高い専門性で行っています。カテーテルは低侵襲、外科は長い範囲の閉塞でも血流を確保できる強みがあり、病変部位や全身状態に応じて最適な方法を選択し、最良の結果を目指しています。
・血行再建と創傷治療を一体的に進めています
血流を改善するだけでなく、外科として潰瘍や壊疽に直接対応できる点が当科の強みです。治療のタイミングを逃さず創傷管理を同時に進め、足を守り、安心して生活を送れるよう努めています。
・創傷治療は専門コンサルタント(ミレニアメディカル)と連携しています
米国の創傷治療コンサルティング会社「ミレニアメディカル」と連携し、先進的な治療方法を取り入れています。フットケア、靴やインソールの調整、生活指導まで含め、包括的に診療しています。
・リハビリテーションに力を入れています
治療の目的は「足を守り、生活につなげること」。そのためリハビリは欠かせない要素です。血行再建後の歩行再開を支えるほか、切断に至った場合も義足や生活動作の訓練まで行い、再び日常生活に戻れるよう支援します。
・治りにくい創傷の治療にも積極的に取り組んでいます
感染を合併した潰瘍や広範囲の壊疽など、難治性の創傷にも全力で治療を行い、可能な限り足を残す(救肢)ことを目指しています。これまで治療が難しいと言われた方も、どうぞご相談ください。