血管外科インタビュー

診療・各部門

創傷ケアセンター長・血管外科主任部長 佐々木茂先生へのインタビュー

今回は当院創傷ケアセンター長でもあり、血管外科の佐々木茂先生の紹介と当科で扱う疾患、治療内容についてお話をお聞きしました。

[Interview1] 医学部の学生時代に外科に憧れるようになりました

-最初に、出身とご趣味をお聞かせください。

福島県いわき市です。趣味はたくさんありますが、その一つは釣りです。音楽も大好きで、ジャズバンドでトランペットを吹いています。病院の仲間と“すずめ踊り”にも参加しており、そのお囃子(おはやし)を担当しています。


-現在の診療科を選んだ理由・きっかけを教えてください。

医学部の学生時代に外科に憧れるようになりました。中でも全身の病気と関係が深い血管外科に興味を持ちました。


-特に力を入れて診療している病気はどのようなものですか?

足の血管の血液の流れが悪くなって発症する閉塞性動脈硬化症や、腹部大動脈瘤などの治療・手術を行っています。糖尿病などが原因で、なかなか傷が治らない慢性創傷の治療も行っています。  また、仙台病院には透析患者さんの受診が非常に多いのですが、透析治療を行う場合に必要なシャントと呼ばれる血管を造る手術やそのトラブルが起こった場合の対応を行っています。

[Interview2] 体に負担が少ない血管内治療も積極的に行っています。

-閉塞性動脈硬化症・腹部大動脈瘤にはどのような症状がありますか?

閉塞性動脈硬化症では、歩くと足が痛くなったり、冷感やしびれなどが現れます。治療が遅れてひどくなると、見た目は小さな傷であっても壊疽にまで進行してしまい、足を切断しなくてはいけなくなることもあります。


-では、受診の仕方を教えてください。

足が苦しい、痛いなどの自覚症状がある場合、腹部大動脈瘤・静脈瘤と言われた場合、シャントにトラブルが生じた場合の診療を、毎週月曜日から水曜日の午前中に血管外科外来で行っています。受診予約をなさらない場合には混み合って待ち時間が長くなってしまいます。できるだけ事前の受診予約をお取りいただきますようお勧め致します。 また、治りにくい慢性創傷を専門的に治療している創傷ケアセンターを設置しております。毎週水曜日の午後のみの完全予約制で診療しておりますので、そのような症状をお持ちの場合には是非お問い合わせ下さい。 ※ページ最下部の創傷ケアセンターをクリックすると予約方法の確認できます。

-先生が行っている主な検査や治療はどのようなものですか?

主な検査法は血流の程度を評価する検査で、CT・MRI・血管造影などです。症状が軽度の方には薬物治療を行います。一方、その治療法で良くならない場合には手術治療を選択しています。体に負担が少ない血管内治療も積極的に行っています。慢性創傷の治療には最新の治療法を多く取り入れており、できる限り足を温存するように頑張っています。


-先生が行っている主な検査や治療はおおよそどれくらいの期間がかかりますか?

手術が必要な場合でも比較的軽症であれば、手術後2~3週間くらいで退院することが可能です。一方、足が壊疽になってしまっている重症の場合には数ヶ月間くらいかかってしまうことがあります。その点からも早期の受診と治療開始がとても重要です。

[Interview3] 早期発見、早期治療が大変重要です。

-もし、検査や治療が遅れるとどうなりますか?

閉塞性動脈硬化症の場合には、足に傷ができてそのまま放置しておくと壊疽が生じてしまい、足を膝の下で切断しなければならなくなります。腹部大動脈瘤の場合には、治療が遅れると動脈瘤が大きくなり破裂することがあります。いったん破裂してしまうと命を落とす危険があります。


-診療体制について教えてください。

当院外科は、スタッフ9名に今年4月より後期研修医2名が加わり、計11名です。そのうち血管外科医は私を含めて2人です。  これまでにお話ししましたように、早期発見、早期治療が大変重要です。たとえ小さな傷であってもなかなか治らない足の傷でお困りの場合、痛み、しびれ、苦しいなどの症状がある場合などには是非とも血管外科外来、または創傷ケアセンターにご相談していただきますようお願い致します。

以上、佐々木先生への血管外科紹介インタビューを終わります。

創傷ケアセンター(紹介と予約方法について) 血管外科・創傷ケアに関するお問い合わせ先 地域医療連携センター 地域医療連携室 TEL:022-275-3195(平日9:00~16:00)