移植外科インタビュー

診療・各部門

JCHO仙台病院では、1976年より腎移植を行なっています。今日まで850例を超える実績を積み、日本有数の腎移植センターとして認知されております。献腎移植、生体腎移植では親子兄弟姉妹間での生体腎移植はもとより、夫婦間での生体腎移植も行っております。さらに近年の免疫抑制療法の進歩により、血液型の合わないABO血液型不適合移植も積極的に行っております。

-移植手術の件数の実際

 当院では、1976年5月に腎移植を開始して、2021年3月時点で生体腎移植761例、献腎移植111例と850例を超えました。
最近では、年25例前後の腎移植を行っています。

-腎移植を受けられる方はどのような方ですか?

 末期腎不全で腎代替療法を必要とされる方です。ただし、腎移植の手術を受けられないほどに心肺機能が低下している方、活動性の感染症がある方、悪性腫瘍が治っていない方は、腎移植手術そのものと免疫抑制療法の危険性が高く、これらが治っていることを確認する必要があります。全身状態が良好であれば、70歳代でも移植は可能です。また、健康なドナー(移植腎提供者)の存在が必須となります。手術後もドナーの健康を損なわないように、さまざまな検査を行なって慎重に適性を検討します。詳しくは直接ご相談下さい。

-移植を受けてからどの位で社会復帰できますか?

 約1~2ヶ月です。

-受診の方法について。

 事前に受診予約が必要なため、当院の「地域医療連携室」にお問い合わせください。

-診療体制について

 当院外科は、東北大学総合外科から配属されたスタッフ7名が常勤医として日々外科業務に従事しています。スタッフは、いずれも一般外科や消化器外科に加えてそれぞれの専門領域をもち、移植外科3名、内視鏡外科1名、血管外科3名です。移植外科スタッフの多くは、東北大学病院で肝臓移植および膵腎移植等にも従事していました。互いにサポートしつつ、良好なチームワークを保って診療にあたっています。

-他にアピールポイントはありますか?

 当院では、腎疾患を有する患者さんに対して総合的な診療体制を整えています。腎移植については、当科は45年にわたり多くの症例を経験しており、全国でも代表的な施設のひとつです。外科全体としても全身麻酔手術症例の約60-70%が腎不全患者さんという全国的にも極めて特殊な病院であり、腎機能が低下した患者さんに限らず、心肺合併症や糖尿病など、さまざまな合併症を有する患者さんが多いのが特徴です。これらのリスクの高い症例の全身管理には細心の注意を要しますが、そのノウハウは腎不全外科に限らずすべての患者さんの診療に活かされており、麻酔科をはじめ多くの診療科と連携しつつ診療にあたっております。
 以上のように当外科の特色として腎不全の患者さんの手術の割合が多かったですが、最近では腎不全の患者さん以外の手術も非常に多くなってきました。診療領域は、消化器、肝胆膵、甲状腺、血管外科、腎移植など広範囲にわたっており、鏡視下手術は、胆嚢に加え、胃、大腸、虫垂、そけいヘルニア、肺、脾、さらに腎移植ドナーの移植腎採取術など、多くの分野で積極的に行なっております。また、血管外科医が中心となって創傷ケアセンターが設置されております。これらについては、それぞれ担当医よりあらためてご紹介させていただきます。

腎移植に関するお問い合わせ先(平日15:00~17:00)
地域医療連携センター 地域医療連携室 TEL:022-275-3195 又は、移植外来 TEL:022-275-3111(代表)