当院は、21診療科と6つのセンター(日本仙腸関節・腰痛センター、腎臓疾患臨床研究センター、創傷ケアセンター、バスキュラーアクセスセンター、透析・血液浄化センター、脊椎外科センター)及び健康管理センターを有する、病床数384床(一般病床384床)の総合病院です。
病院の基本理念としては良質で安全な思いやりのある医療を提供することを掲げております。診療方針としては、各科において 高いレベルでの専門性を発揮した医療を行うことに加え、患者さんの権利を尊重すること、かかりつけ医との連携を強化することなどを挙げており、看護に際しては患者さんに安心して頂くことを最重要視しております。
当院の役割としては、仙台市北部における地域住民の皆様を対象とした一般診療に当ることに加え、腎臓疾患、泌尿器科的疾患、腎不全及び血管外科、腎移植などに関しては県内を問わず県外の患者さんに対しても先進的医療を提供することと任じております。
さらに、先進国共通の深刻な問題となっている生活習慣病を背景とする糖尿病や高血圧症に対しては、健康管理センターが中心となり、その予防活動を積極的に展開するよう努めております。
病院長挨拶
地域の安心を生み出す灯台に!
当院は前身の仙台社会保険病院時代から、北仙台周辺の拠点病院として診療に当たってきました。特に有効な治療法のなかった慢性腎炎の画期的な治療法を生み出したことで、名声は全国に広がり、腎移植も国内で有数の実績を誇っています。また、原因不明の腰痛として見逃されてきた仙腸関節痛の診断と治療法を確立して国内に普及してきました。仙台発のこの研究にアメリカやドイツの研究者も注目し、『国際仙腸関節研究所』を開設して、共同研究していくことになりました。このように幾多の分野で高い水準の医療を提供してきた当院ですが、施設が老朽化し、手狭になったことや、仙台医療圏の拡大で北部地域の医療需要が高まっていることから、令和3年5月1日に泉区紫山に移転・開院いたしました。
新病院の病床数は384床で、21の診療科と6つの医療研究センターを構え、救急体制をさらに充実させて、幅広い地域医療ニーズに対応できる総合病院になってまいります。特に、新設される小児科は幅広い子供の病気に対応すべく、分野の異なる3人の専門医を置くことで、子育て世代の多い北部地域の期待に応えたいと思っております。また、総合診療科が充実しているのも当院の特徴です。どの科に受診すべきか、あるいは紹介すべきか迷う患者さんに対し、必要に応じて専門科で治療させて頂きます。そして、健康管理センターの健診事業も当院の大きな魅力です。健診と病院診療が連携できるメリットを生かしながら、予防医学を力強く推進してまいります。
当院が仙台北部を代表する総合病院として第一に目指すのは、地域の安心を生み出す灯台のような存在です。病院があることで、地域の方々が安心して生活を送ることができ、そこに新たな街づくりが行われます。そのためにも患者さんの心に寄り添う温かい医療を提供していきたいと決意しております。しかし、近くに総合病院が存在するだけにとどまってはならないと思います。地域の安心と高度医療の関係は撚りあう糸のようなものであり、地域の方々に、より優れた医療を提供できて初めて地域の安心、信頼を得ることができます。どこにあっても、“病気を治せる病院が医療の中心地になる”ものと確信し、当院がこれまで培ってきた先進医療と研究に磨きをかけていきます。幸いにも新病院は高速道路からのアクセスも良く、他県からの患者さんにも便利になりますので、東北地方を見据えた医療を展開していこうと思っています。
最後に、New JCHO仙台病院は職員一丸となって、地域の人々に頼られ、地域の人々が遠方の方々から“JCHO仙台病院が近くにあって幸せだね!”と言われるような、“地域が誇りとする病院”を目指し、ここから新しい道を歩み始めます。
JCHO仙台病院長 村上 栄一